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館で推理するゲーム。選択肢の無いノベルだけど「作者からの挑戦状」を考える部分にゲーム性があると判断したので感想を書くよ。

操作はマウスクリックでメニューの選択とテキスト進行、マウスホイールでバックログ表示。話をひたすら読んでいくだけのノベル作品でゲーム名の通り殺人が発生し、その犯人やトリックをプレイヤーが推理したりする。ちなみにvectorには無印（第１夜）と第２夜の２つが登録されてるけど、第２夜にも第１夜が同梱されている上に一部の設定が異なっているため、第１夜をスルーしてこちらだけのプレイでも問題なさそう。

難易度は、読むだけなら低く推理込みだとめちゃくちゃ高いと思う。テキストに関してはかなり読みやすく、また構成の出来も良くて１夜に掛かる２０～３０分ぐらいがあっという間に感じたし、特に第２夜終盤のシーンはゾクゾクさせられたよ。また現段階ではわからない点も多いけどそれをあれこれと推理するのも面白く、作者の掲げる「自分で解く面白さを追求」という点もある程度達成されてるんじゃないかと思う。

あとは一部で違和感のある描写があったのはやや不満。扉の１つずつの間隔が５０ｍで外周６００ｍとかお前東京ドームかよ。それで内側の部屋の描写が単に「広い空間」とかおかしくないですかね？それから細かい点だけど１９時からカレーを作り始めて皆で食べて食後の歓談までして２０時に集合してるというのも不自然。仮に廊下や時計に仕掛けがあったとしても登場人物全員が気付かないのはおかしいし、この手のゲームは描写の違和感からトリックにつながったりするわけでその辺のディテールはきっちりしてもらいたかった。

それから一部にエラーがあったりと作者が吉里吉里というツールに慣れてない感じがしたのも残念。というか表示されるのが文字だけで背景画像等が無くBGMにもあまりこだわりが感じられないので、これならゲーム形式にする必要無くね？と感じたよ。自分の場合無印版の第１夜のあと第２夜を途中まで読み、その後確認のため第２夜同梱の第１夜を読んだけど、この時はscenarioフォルダ内のファイルを強引に開いてテキストのみで問題なく読めたからなぁ。

ちなみに噂によると作者の中では完結まで出来上がっていたものの、いろいろあってゲームの制作は完全にストップしてしまったらしい。本当に面白いだけにこの先も是非読んでみたいんだけどねぇ、ん～残念。


　　　　　

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